脳神経内科医ときどき社労士

脳神経内科専門医として、頭痛や脳梗塞など身近な病気を紹介します。関係する社会保険のことも順次紹介予定!

ABOUT

 

自己紹介

私は現在、石川県の病院で勤務しています。

医者になってから今年で13年目になりますが、そのほとんどを石川県で勤めてきました。学生のころから、"神経学"がとても好きだったので、医者になったら脳神経内科か脳神経外科を学びたいと決めていました。けど、手先の不器用さがあったので、脳神経内科を最終的に選びました。

 

大学病院とは縁のない経歴をたどってきたので、脳卒中や頭痛疾患を診療することが多い一方で、昔から興味のあったパーキンソン病が、自分のライフワークかな、と常々思っています。

 

この仕事をしていて、とにかく感じるのが、病気と社会生活との両立が難しい病気がたくさんあるということでした。例えば、てんかんであれば自動車運転に制限があったり、パーキンソン病をはじめとした難病の場合、日常生活にも影響が出てきたり、脳梗塞であれば突然出現した後遺症のため、仕事の再検討が必要になったりと...

脳神経内科の病気は、"障害"という概念が切っても切り離せないものが多くあるため、自らも、その対応に重点を置かなければいけないと常々思っていました。

そんな中で、勉強を始めたのが、"社会保険労務士"でした。

 

"傷病手当金"や"障害年金"、"介護保険"の利用がとにかく多い脳神経内科...とりあえず書類はかけるけど、どういう制度で、どのようなことが求められるのか、ということが全く分かっていませんでした。それらを知るためにちょうどよかったのが、社会保険労務士の勉強をすることでした。勉強をするにつれて、脳神経内科の病気との向き合い方が本当に変わりました。そして、毎回書いている書類が何のためにあるのかを知るということは有意義なことでした。

幸いにも1年の勉強で合格出来ましたが、今のところは社労士名簿への登録はしない予定なので、あくまで"社労士試験合格者"のままですが、このブログでは医師の視点から見た社会保険という観点のもと、学んだことを還元できるような内容も書いていければと思っています。

 

 

脳神経内科とは

おそらく、脳神経"外科"というところは、良く知られているのではないかと思います。

"頭を怪我した"というときは、まず受診されることと思います。

その他にも、脳腫瘍やくも膜下出血など、恐ろしい病気も、脳神経外科に受診されることになります。

 

でも、脳神経"内科"は、残念ながら、まだまだ認知されていないような印象です。

 

脳神経内科は、以前まで"神経内科"という呼び名が一般的でした。

それが、最近になって、脳神経内科という名前に変わりました。といっても"脳"という文字が頭についただけですが...

 

今も、昔も、脳神経内科は精神科と混同されることが多いです。ひどい場合だと、医者であっても、脳神経内科の存在すら認知しておらず、脳神経内科のことを精神科と思っている方もいます...

 

精神科は、病院によっては、"神経科”と呼ばれたり、"神経科精神科"とよばれるなど、確かに、神経内科に似ていたんですよね。

 

そのためか、あるいは脳神経外科の"内科バージョン"としたかったのかは分かりませんんが、最近になって、"脳神経内科"という名称が全国的に定着しつつあります。

 

脳神経内科で扱う病気

脳神経内科で扱う病気は、多岐にわたります

 

一番、ポピュラーなのは、"頭痛"です。病院によっては、"頭痛外来"というのもあったりして、脳神経内科医や脳神経外科医が担当しています。

頭痛のほとんどは、一次性頭痛といって、命に直接的には関わらないものですが、中には、脳腫瘍や脳出血、脳炎、髄膜炎など、恐ろしい病気が少なからず含まれているために、我々医者も、慎重に対応しています。

 

良く受診される症状は、"物忘れ"や"しびれ"、"めまい・ふらつき感"などです。

 

物忘れの原因として、"アルツハイマー病"が知られており、確かに物忘れの病気(認知症といいます)の中で最多です。他にも、頭の中にたくさんの脳卒中が出来て生じる、血管性認知症や、幻覚を強く訴える、びまん性レビー正体病など、物忘れの原因は様々です。これらの病気のどれにあたるのかを診断し、それぞれにぴったりの治療を選定し、実施していくのは、まさに脳神経内科医の役割になります。

 

しびれは、脳が原因のこともありますが、他には背骨の中に走っている脊髄という神経や、脊髄から手足に向かって伸びる末梢神経などいろいろな場所が、症状の原因になります。そのため、場合によっては整形外科医などとも協力して治療を行います。

 

めまい・ふらつき感の原因、一番多いのは、実は"耳"です。ただし、耳といっても"音を聞くための耳"ではなく、"バランスを感じるための耳"があり、"三半規管(さんはんきかん)"と呼ばれています。

多くが、耳が原因でめまいを生じるものの、脳の病気でめまいを感じることもあります。他に、あまり知られていませんが、片頭痛や緊張性頭痛でもめまいを自覚することが多くあります。

 

これらの他に、脳神経内科ならではの病気があります。

それが、パーキンソン病や重症筋無力症、筋萎縮性側索硬化症(ALSと呼ばれています)などなど、他にもたくさんある"神経難病"と呼ばれる病気です。

パーキンソン病や重症筋無力症など、治療法が豊富で、難病とは言いにくい側面もある病気もある一方で、筋委縮性側索硬化症など難治でかつ致死的な病気もあります。 

 

さらにさらに、救急車で運ばれるような病気も対応しています。

たとえば、てんかん(けいれんする病気です)や、脳梗塞・脳出血、また髄膜炎や脳炎といった頭蓋骨の中で起こる感染症などが該当します。