血管が硬くなったら、脳梗塞になるかも?
今回は、動脈硬化について紹介しようと思います。ちょっと難しい話かもしれません...しかし、脳梗塞という病気を理解するために大事な内容なので、あえて取り上げてみました。よろしければお付き合いくださいませ...
動脈と静脈
からだの中を走っている血管には、動脈という血管と静脈という血管の2種類があります。動脈は心臓から送り出された血液を臓器に送る血管、静脈は臓器から戻された血液を心臓に送り返す血管のことです。
そのため、動脈には酸素や栄養がたっぷり含まれていますが、静脈には酸素は少なく二酸化炭素などの体にとって不要となった物質がたくさん含まれています。
動脈硬化
動脈が細くなると、臓器に運ぶことが出来る血液の量が少なくなってしまいます。
すると、臓器が痛んでしまいます。さらに細くなって、やがて血液が流れなくなってしまうことがあります。そうなれば臓器は生き残ることが出来なくなってしまいます。
このように動脈が細くなることを、一般的に動脈硬化と呼んでいます。
※実際には、血管炎など動脈硬化以外にも血管が細くなる原因が他にもあります。
主な動脈硬化の種類として"アテローム性動脈硬化"と"ガラス様動脈硬化"があります。
アテローム性動脈硬化
アテローム性動脈硬化とは、アテロームが血管の壁にたくさん溜まってしまう動脈硬化のことです。
アテロームは日本語で"粥腫(じゅくしゅ)”と呼ばれています。粥腫は、"おかゆのような腫瘍"と書きますが、実際にはあぶら成分や、炎症の細胞、線維などがぐちゃぐちゃに混ざったような状態になっています。このような汚い物質が血管の壁にたくさん溜まっていきます。すると、血管の壁がどんどん分厚くなってしまい、血管が細くなっていきます。
アテローム性動脈硬化を引き起こす原因は、以下の通りです。
①生活習慣病:高血圧、糖尿病、脂質異常症(コレステロールが増える病気)
②喫煙
③男性であるということ(女性に比べ男性はアテローム性動脈硬化になりやすい)
④加齢
特に、生活習慣病や喫煙は生活を見直すことで、改善することができるため、動脈硬化予防として非常に重要です。
アテローム性動脈硬化で、血管が詰まってしまい生じる脳梗塞は、アテローム血栓性脳梗塞と呼ばれています。
ガラス様動脈硬化
アテローム性動脈硬化は、一般的に太い動脈に起こりやすいです。
一方で、臓器に血液を送る寸前の血管はとても細くなっています。このような血管に生じる動脈硬化は、"ガラス様動脈硬化"とよばれています。
ガラス様というのは、ガラスのようにとても硬いけどある程度の力が加われば、”パリン"と割れてしまうイメージだと思ってください。
アテローム性のように、"汚い物質"は溜まりませんが、代わり血管にかかる"圧"が強くなると、それに抵抗するように血管が分厚く硬くなってしまうことで、このガラス様動脈硬化が生じてきます。
つまり、ガラス様動脈硬化の最大の原因は、"高血圧"です。
ガラス様動脈硬化でも血管が細くなるため、血管が詰まってしまう、つまり梗塞を生じますが、逆に圧が限界に達すれば破れてしまい結果、出血を生じてしまいます。
ガラス様動脈硬化で脳梗塞が起こった場合、"ラクナ梗塞"と呼ばれます。一方、出血が起こった場合は、"脳内出血"と呼ばれます。
最後に
このように、同じ脳梗塞でも、原因が違うため、予防の治療も変わってきます。
ただ、どちらの場合でも大事なのは血圧の管理です。何も病気を持ってない方でも、脳梗塞は突然やってきます!
日頃から血圧に、しっかり気をつけていきましょう!